2010年 12月 12日
百万円と苦虫女
昨日、夕食後に晩茶とコーヒーを飲みながら二人でそれを鑑賞した。
タイトルは「百万円と苦虫女」。
公開が発表されてから、なんちゅうタイトルだろう、と思っていたのだが、
観てるうちに意味がなんとなくわかってきた。
蒼井優扮する主人公、佐藤鈴子はフリーターの21歳。
親元を離れようと、友達とルームシェアをすることになるが、紆余曲折の末、
また親元へ戻ることになってしまう。ある日、弟、拓也との言い合いの末、
百万円貯まったら家を出てひとりで暮らす、と宣言。
ひたすら働き、百万円貯める鈴子。ようやく目標に達し家を出る。
海へ行き、山へ行き、百万円貯めるごとに住まいと職を移し転々とする鈴子。
そして、ある町へたどりつき、鈴子は恋をする…。
という感じのストーリー。
観てるうちに、ストーリーうんぬんとか人物構成がどうのとか言うより、
単純に昔が懐かしくなってきた。
何のしばりも、しがらみもない、自由な自分。
20代のはじめ、こんな自由な時間が自分にもあったんだ、と思うと、
もう取り戻せないあの時間に甘い憧れと苦い後悔を感じていることに気づいた。
お金を貯めて、自分の行きたいところへ行く。
また働いて、お金を貯めて、自分の行きたいところへ行く。
単純でしばられない生き方。
今振り返れば、どうしてそんな生き方を選ばなかったのだろう、と思うが、
いや、選べなかったのだ、とも思う。
案外小心者だから。
まあ、実際のストーリーとしては、自分探し、というよりは、
人と自分のつながり、それにともなう自身の成長って感じでしょうか?
蒼井優が、とにかく細くてうらやましい。(って、そこかって感じですが)
あんな細かったら体も軽いなぁと、自分についてる余分な脂肪を意識しながら
見入ってしまった。
森山未来が本当に普通の大学生役なので、それもまたよし。
現実にありそう感が増してたと思う。
余談だけど、鈴子が二箇所目に訪れた山の村が、
かなりの確率で私の郷里の県と思われて、オットと二人で思わず爆笑。
方言といい特産物といい、ほとんど間違いないだろうと確信してます。
観終わった後、やっぱり20代への憧憬は消えなかったけど、
でも、爽やかな気持ちになりました。
過ぎた時間は取り戻せないけど、やり直しはオバサンになってからもできる。
くさらず、前向きに明日も生きていこうと思います。
「百万円と苦虫女」
製作年 2008年
製作国 日本
時間 121分
公開日 2008年7月19日(土)公開
監督 タナダユキ
出演 蒼井優 森山未來
by zizo_cafe
| 2010-12-12 21:27
| cinema