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The London Plane

ちょっと思い切って連休前にシアトルまで行ってきました。
そこでの様々な人との出会い、お店との出逢いに感謝しつつ、それらを少しずつ振り返ってみたいと思います。
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今回滞在したのは、シアトル中心部ダウンタウンから少し離れたスタジアム周辺のエリア。人通りもあまりなく(と書くと国が国だけあってちょっと危険なイメージになってしまいますが、別な言い方をすれば閑静なエリアという感じでしょうか。10年ぶりくらいに行った2度目のアメリカ、いろんな角度から見ると10年前には見えなかったものが見えてきました。例えば公共トイレがないとか。ここら辺はまた別の機会に)

滞在中のホテルから歩いて5分~10分以内のところにとっても素敵なカフェを見つけました。それが「The London Plane」。
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このカフェはアメリカには珍しく?ベーカリーとお花屋さんが一緒になっていて、通りから中をのぞくと高い天井と白い壁面をバックに美味しそうなパン、焼き菓子が並び、入り口手前には季節の花々がゲストを迎えています。さらに左手にはいくつものテーブルと椅子が並び、テーブルの上には美しく整えられたカトラリーがセッティングされていて上品なカフェ空間となっていました。

通りを散歩しながらその佇まいに惹かれ、花に吸い寄せられる虫のように近づいていつの間にか店内に入っていきました。店内は想像した通りに素敵でかわいくて本当はお茶でもしたかったけど、この時はあまりにも店内がおしゃれで品があることに気おくれし「中で食べるか?」と聞かれたのに「持ち帰ります」と口走ってしまった小心者の私。持ち帰りにしたのはコーヒーケーキ。
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これ、コーヒーの味がするだろうと思って好奇心から買ったのだけど、全くコーヒーの味がしません。あれ、なんでだろう?とよくよく考えてみたらアメリカでコーヒーケーキといえば、コーヒーブレイクに食べるケーキのことだったかも、と思い至りました。味はうーん、甘かったですね。アーモンドパウダーをふんだんに使っていると思うのですが、アーモンドを生かそうというよりお菓子だから甘くしようという意思を感じる甘さでした。疲れている時には励みになるかも。

この日は晴れていたので近くの広場でいただきました。あ、ちなみにアメリカでは公園など外でお酒は飲んではいけませんのでご注意くださいね。

翌日たまたまスカウトした日本人の学生さん(女性)と一緒に念願のイートインを果たしました。
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季節のサラダ。きゅうりと赤カブ、オリーブとフェンネルが散りばめられ、ブルーチーズで作ったソースがかけられています。シンプルながらとっても本当にとっても美味しかった。思わず「あれ、ここはパリ?それともロンドン?」と思うくらい、ここがアメリカということを忘れてしまうくらい繊細な味付けでした。ちなみに奥に見えるのはスカウトした学生さんが頼んだメキシカン・コーラ。これひと口味見させてもらったけど、よくあるコーラよりすっきりしていて美味しかったです。

そして、他のゲストが頼んでいたパンのプレートがあまりにも美味しそうだったので追加注文をしたのがこれ。
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たぶんカンパーニュだと思いますが、このパンがめちゃくちゃ美味しい!外側の香ばしさと、中身の水分を含んだ柔らかさ。そしてつけあわせの塩バターがまた絶品でした。このパンと塩バターの組み合わせは最強です。シアトルで食べた中で強烈に美味しいと思った一品。

ここは広場が窓越しから見え、季節ごとの木々の変化も楽しみながら食事ができるカフェです。存分に植物の良さを体で感じながら美味しいごはんを食べ、お土産にパンやお菓子も買えてしまうという贅沢なお店。漂う雰囲気がアメリカというよりヨーロッパに近い感じがする。居心地の良さはそこからも来ているのかも。

味ももちろんですがスタッフもとっても素敵。主にホールを担当していた女性は美人でスタイルも抜群、しかも優しい。奥にいた男性スタッフも端正な見かけ以上にフレンドリーで親切な方でした。

また行きたいな。今度は絶対ローカル・ワインを飲みながら食事をすることに決めています。


# by zizo_cafe | 2017-04-24 00:05 | アメリカ物語

ドラマ「カルテット」

ついに終わってしまった、毎週楽しみにしていたカルテットが。

「椅子取りゲームに負けた人が椅子に座っているフリをしているだけじゃないんですか」
「夢は必ず叶うわけじゃないし、あきらめなければ叶うわけじゃないし」
「咲いても咲かなくても花」
「死ぬなら今かなっていうぐらい今が楽しいです」

毎回心に響く、というか心をえぐられるセリフが満載でまるで自分のことのような、見てると苦しくておかげで毎回飲まずに見られなかったドラマだった。きっとこのドラマが3か月1クールで終わらなかったらひょっとして酒に弱い私もアルコール依存症になってしまったかもしれない。ダメさ加減で言えば私もきっとカルテットドーナツホールのメンバーになれるんじゃないかって確信をもって思う。楽器なんて何もできないけど。

パッとしない人生、でも4人がそれほど卑屈じゃないのがいいというか、それともちゃんと自覚を持っているからこそ卑屈にならないのか。ミステリー的要素もあってついつい続きが気になって見てしまったこともあるけど、こんなに夢中になれたのは、彼らのあきらめているように見えてあきらめていないような気がする人生の姿勢に多少の希望を見出していたからかもしれない。

「カルテット」というタイトルに惹かれて第一話から見始めたけど、番組のキャッチコピー「大人の恋はやっかいだ」に騙されててっきりラブストーリーなのかと思いきや全然違うじゃん。最初からちゃんと言ってよー、と心の中で叫びながら最終話まで度重なる野球延長にも負けずにリアルタイムで見続けた。

ちまたでは家森さんとすずめちゃん、有朱が大人気みたいだけど、私は断然真紀派(たぶん真紀さんに共感する層はSNSとかネットとかに興味が薄い人たちなんじゃないかと思う。「本物」の真紀さんがいるからこそ彼らの存在が光るわけですからね)。彼女の壮絶な人生を振り返りつつ、今まで何を思いながら生きてきたんだろうとまるで知り合いのように想像しながら暮らしています。

人生には3つの坂がある、上り坂、下り坂、そして”まさか”。
真紀さんは今まで何度も「まさか」で人生を変えてきている。何度もないけど私もまさかで人生が変わった。
今まで弱い自分、駄目な自分を責めて「こんな人生なくしてもいいのに」って何度も思ってきたけれど(確か真紀さんのセリフにもそんな感じの言葉があったような)、このドラマを見ていたら「こんなダメな人生でもいいのかもしれない」って少し思えるようになった。

全話見たけど、もう一度今度はちゃんと見たい。DVD買っちゃおうかなぐらい思っている。
最終話まで完璧だったからもう続編とかスペシャルとかはなくてもいいと思う。これで続いてしまったら世界観が変わってしまうような気がするし、「カルテット」というドラマではなくなってしまう気がするから。

坂元さんの脚本が素晴らしいし、演出も素晴らしいし、飯島さんの料理も美味しそうだったし(何度も真似して作りましたよ)、椎名林檎・作詞作曲の主題歌もいい。舞台の軽井沢の冬景色もピリッとした空気感が美しかった。
そして役者ってすごい!最初はメインキャストの4人は「ラブストーリーにしちゃちょっと地味じゃないか」と思っていたけど、見ていくうちにそうじゃないことがわかってきた。4人がまるで現実世界に存在しているように感じた。

本当に面白かった、カルテット。久しぶりに、本当に久しぶりに見ごたえのあるドラマだった。何でも一目でわかりやすさを求める今の時代に、あえて噛みしめて見るスルメのようなドラマを丁寧に作ってくれた制作チームのみなさんに感謝したい気持ちでいっぱいだ。お気に入りが終わってしまって火曜日の夜が相当寂しくなった。でも頭の中で反芻しながら、余韻に浸りながら、素敵なドラマに出会えたことを心の宝物にしてこれから先も何とか生きていけると思います。

# by zizo_cafe | 2017-03-29 01:50 | 生活

6年後の3月11日の翌日

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トラストシティ前の広場。
日曜午後、ふらりと立ち寄ったビルの前にたくさんのキャンドルが置いてあった。メッセージつきのものもある。温かい言葉の数々に触れて、閉ざしていた心の蓋が少し開いてしまったみたいだ。震災直後の不安や受け止めたくないと抗う気持ち、前を向かなくちゃと鼓舞していたあの頃のいろんな感情が思わずふっとよみがえって涙が出そうになった。

ビルの中では入場無料の復興コンサートも行われていた。演奏していたのは仙台と福島を中心に活動する森の弦楽四重奏団。カルテットの柔らかな響きにふわっと押されてここでも記憶がふいによみがえった。あの頃仙フィルのメンバーによる復興コンサートが街角で静かに奏でられていたこと、沈んでいた気持ちが癒されたこと。

3月11日午後2時46分の黙とうは忘れてしまったけど、震災の記憶は決して消えてないことを再確認した6年後の翌日。そして、震災を経験し、被災地に住んでいる者でさえ、あえてイベントを介さなければ記憶を蘇らせることがなくなってきている、かもしれないと思わず感じた6年後の翌日。

# by zizo_cafe | 2017-03-17 10:02 | 震災後日記

6年後の3月11日

今日も朝から寒かった。昨日は吹雪のように雪が降っていて、どうしてもこの時期は雪になるんだなと、もはやあきらめている。
6年はあっという間。昔は1年、2年なんて捨ててもいいくらいに思っていたのに年々日々の価値が重くなり、いまや1年どころか1週間さえも貴重に思えてくる。

今日はじめて黙とうをしなかった。
正確にいうと、アラームをセットしていたのだが音が出ないように設定していたため気づかなかったのだ。習い事をしていて意図的ではなかったが、それでもつい忘れてしまうくらい夢中だった。それだけあの日も日常に埋没しつつあるということなのか。よくも悪くもそれが生きていくということなんだろうと思う。

でも絶対忘れることはない。
もう戻れない、震災前の故郷には二度と帰ることができない。
その悲しみを一生抱き続けながら生きていくのだろうと思う。それだけはずっと事故以来確信し続けている。

# by zizo_cafe | 2017-03-11 23:46 | 震災後日記

休日ホットケーキ

午後にしか予定のないのんびりとした日曜日。心に余裕があると滅多にしないことがしたくなる。
そんなわけでブランチにホットケーキを焼いた。

買っておいた市販のパンケーキミックスを使う。
あ、そうだ、卵が切れていた。いいや、卵白を使おう。
たまたま残っていた2個分の卵白を泡立て、豆乳とまぜ、パンケーキミックスを投入。ダマが残る程度に軽く混ぜ、早速焼いた。
弱火で片面3分、ひっくり返してさらに2分。

全部で4枚焼き上がった。
2枚ずつお皿に盛り、とっておきの美味しいバターをスライスして上からメープルシロップをかける。

バターの芳醇な香りとメープルシロップの甘い香り。
美味しそう。

おまけみたいな休日のパンケーキ。幸せ。
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# by zizo_cafe | 2017-03-02 12:18 | 生活