ドラマ「カルテット」

ついに終わってしまった、毎週楽しみにしていたカルテットが。

「椅子取りゲームに負けた人が椅子に座っているフリをしているだけじゃないんですか」
「夢は必ず叶うわけじゃないし、あきらめなければ叶うわけじゃないし」
「咲いても咲かなくても花」
「死ぬなら今かなっていうぐらい今が楽しいです」

毎回心に響く、というか心をえぐられるセリフが満載でまるで自分のことのような、見てると苦しくておかげで毎回飲まずに見られなかったドラマだった。きっとこのドラマが3か月1クールで終わらなかったらひょっとして酒に弱い私もアルコール依存症になってしまったかもしれない。ダメさ加減で言えば私もきっとカルテットドーナツホールのメンバーになれるんじゃないかって確信をもって思う。楽器なんて何もできないけど。

パッとしない人生、でも4人がそれほど卑屈じゃないのがいいというか、それともちゃんと自覚を持っているからこそ卑屈にならないのか。ミステリー的要素もあってついつい続きが気になって見てしまったこともあるけど、こんなに夢中になれたのは、彼らのあきらめているように見えてあきらめていないような気がする人生の姿勢に多少の希望を見出していたからかもしれない。

「カルテット」というタイトルに惹かれて第一話から見始めたけど、番組のキャッチコピー「大人の恋はやっかいだ」に騙されててっきりラブストーリーなのかと思いきや全然違うじゃん。最初からちゃんと言ってよー、と心の中で叫びながら最終話まで度重なる野球延長にも負けずにリアルタイムで見続けた。

ちまたでは家森さんとすずめちゃん、有朱が大人気みたいだけど、私は断然真紀派(たぶん真紀さんに共感する層はSNSとかネットとかに興味が薄い人たちなんじゃないかと思う。「本物」の真紀さんがいるからこそ彼らの存在が光るわけですからね)。彼女の壮絶な人生を振り返りつつ、今まで何を思いながら生きてきたんだろうとまるで知り合いのように想像しながら暮らしています。

人生には3つの坂がある、上り坂、下り坂、そして”まさか”。
真紀さんは今まで何度も「まさか」で人生を変えてきている。何度もないけど私もまさかで人生が変わった。
今まで弱い自分、駄目な自分を責めて「こんな人生なくしてもいいのに」って何度も思ってきたけれど(確か真紀さんのセリフにもそんな感じの言葉があったような)、このドラマを見ていたら「こんなダメな人生でもいいのかもしれない」って少し思えるようになった。

全話見たけど、もう一度今度はちゃんと見たい。DVD買っちゃおうかなぐらい思っている。
最終話まで完璧だったからもう続編とかスペシャルとかはなくてもいいと思う。これで続いてしまったら世界観が変わってしまうような気がするし、「カルテット」というドラマではなくなってしまう気がするから。

坂元さんの脚本が素晴らしいし、演出も素晴らしいし、飯島さんの料理も美味しそうだったし(何度も真似して作りましたよ)、椎名林檎・作詞作曲の主題歌もいい。舞台の軽井沢の冬景色もピリッとした空気感が美しかった。
そして役者ってすごい!最初はメインキャストの4人は「ラブストーリーにしちゃちょっと地味じゃないか」と思っていたけど、見ていくうちにそうじゃないことがわかってきた。4人がまるで現実世界に存在しているように感じた。

本当に面白かった、カルテット。久しぶりに、本当に久しぶりに見ごたえのあるドラマだった。何でも一目でわかりやすさを求める今の時代に、あえて噛みしめて見るスルメのようなドラマを丁寧に作ってくれた制作チームのみなさんに感謝したい気持ちでいっぱいだ。お気に入りが終わってしまって火曜日の夜が相当寂しくなった。でも頭の中で反芻しながら、余韻に浸りながら、素敵なドラマに出会えたことを心の宝物にしてこれから先も何とか生きていけると思います。

by zizo_cafe | 2017-03-29 01:50 | 生活

お菓子とお花と自家製天然酵母パンの探求の日々。二ホンミツバチとの暮らしはお休み中。


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